御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
カギは預かっており、自由に来てかまわないと言われている。もうずっと連絡も取れていないことを考えたら、動きだすべきかもしれない。
ただひと目でいいから、弘樹の顔を見て安心したかった。
行き先を変更して、彼の住むマンションへ向かう。もう何度も歩いた道を、迷いなく進んでいく。
結婚式から時間も経ったし、彼の怒りは治まっているだろうか。あらためて謝罪をして、仲直りがしたい。
部屋の前まで来たが、残念ながら玄関わきにある窓は真っ暗だ。
とはいえ、ここで帰ってしまうのはなんだかもったいない。それなら、いつも散らかしがちな部屋を片づけていこうとカギを取り出した。
開錠して遠慮がちに中に入り、灯りをつけた。
「え?」
弘樹のビジネスシューズの横に並ぶ、ベビーピンクのパンプスを見つけて声が漏れる。
数秒動けずにいたが、ハッとして顔を上げた。
たしかに、入ったすぐのキッチンは真っ暗だ。けれど、わずかに扉が開いた奥の部屋から、薄らと灯りが漏れている。
何度も来ているのだから、間違えるはずがない。あの部屋は、彼の寝室だ。
嫌な予感に、手が汗ばむ。ドクドクと打ちつけてくる鼓動に、吐き気が込み上げくるようだ。
それでも、ここで引き返そうとは思えない。
疑惑を見て見ぬふりなどできるわけがない。震える足を叱咤しながら、音を立てずに寝室に近づいていく。
ただひと目でいいから、弘樹の顔を見て安心したかった。
行き先を変更して、彼の住むマンションへ向かう。もう何度も歩いた道を、迷いなく進んでいく。
結婚式から時間も経ったし、彼の怒りは治まっているだろうか。あらためて謝罪をして、仲直りがしたい。
部屋の前まで来たが、残念ながら玄関わきにある窓は真っ暗だ。
とはいえ、ここで帰ってしまうのはなんだかもったいない。それなら、いつも散らかしがちな部屋を片づけていこうとカギを取り出した。
開錠して遠慮がちに中に入り、灯りをつけた。
「え?」
弘樹のビジネスシューズの横に並ぶ、ベビーピンクのパンプスを見つけて声が漏れる。
数秒動けずにいたが、ハッとして顔を上げた。
たしかに、入ったすぐのキッチンは真っ暗だ。けれど、わずかに扉が開いた奥の部屋から、薄らと灯りが漏れている。
何度も来ているのだから、間違えるはずがない。あの部屋は、彼の寝室だ。
嫌な予感に、手が汗ばむ。ドクドクと打ちつけてくる鼓動に、吐き気が込み上げくるようだ。
それでも、ここで引き返そうとは思えない。
疑惑を見て見ぬふりなどできるわけがない。震える足を叱咤しながら、音を立てずに寝室に近づいていく。