御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「でもさあ、遠藤君で本当にいいの? 彼、悪い人とは言わないけどさあ」
もの言いたげな彼女を、見つめ返した。
「どういう意味?」
抑揚のない声音になってしまったが、とくに不機嫌になっているわけではない。これまでの付き合いで、渚もそれは理解してくれている。
「なんていうか……ほら。私の結婚式の日、瑠衣は体調を崩したからって二次会に来られなかったじゃない?」
その通りだとうなずく。
すぐにメッセージで謝罪を伝えており、渚からは労わりの言葉と共に気にしないでと返信が来ていた。
「体調の悪い交際相手をひとりで帰すのかなって、ずっと納得がいかなかったの。遠藤君は、タクシーすら手配しなかったって聞いたわ。さすがに酷くない?」
事情を知らなければ、たしかに弘樹の取った行動は恋人に対するものとしては酷薄だ。
けれど、真実は違う。
「実は……」
少しの後ろめたさと、婚姻届にサインをもらわなくてはという使命感で重い口を開く。
弘樹とは少し前から上手くいっておらず、怒らせてばかりいた。結婚式の日もそれが原因で先に帰らされたと打ち明けると、渚の目が怒りに燃えはじめる。
加えて私の会社の後輩との浮気を明かすと、彼女はバンっとテーブルを叩いた。
「許せないわ。遠藤君はね、いつだって美人の瑠衣を自慢したがっていたのよ。付き合いはじめた当初は、気の進まない瑠衣を無理に仲間内の集まりに連れて行って。式のときの席だって、瑠衣とは面識のない友人に見せびらかしたかっただけ。そのくせ、誰かに惚れられるかもしれないと心配にもなっちゃってさ。瑠衣に文句を言っていたのは知らなかったけど、遠藤君の方にもきっと原因があるのよ」
弘樹の事情は知らないが、私のために怒ってくれる渚に、不謹慎にもうれしくなる。
もの言いたげな彼女を、見つめ返した。
「どういう意味?」
抑揚のない声音になってしまったが、とくに不機嫌になっているわけではない。これまでの付き合いで、渚もそれは理解してくれている。
「なんていうか……ほら。私の結婚式の日、瑠衣は体調を崩したからって二次会に来られなかったじゃない?」
その通りだとうなずく。
すぐにメッセージで謝罪を伝えており、渚からは労わりの言葉と共に気にしないでと返信が来ていた。
「体調の悪い交際相手をひとりで帰すのかなって、ずっと納得がいかなかったの。遠藤君は、タクシーすら手配しなかったって聞いたわ。さすがに酷くない?」
事情を知らなければ、たしかに弘樹の取った行動は恋人に対するものとしては酷薄だ。
けれど、真実は違う。
「実は……」
少しの後ろめたさと、婚姻届にサインをもらわなくてはという使命感で重い口を開く。
弘樹とは少し前から上手くいっておらず、怒らせてばかりいた。結婚式の日もそれが原因で先に帰らされたと打ち明けると、渚の目が怒りに燃えはじめる。
加えて私の会社の後輩との浮気を明かすと、彼女はバンっとテーブルを叩いた。
「許せないわ。遠藤君はね、いつだって美人の瑠衣を自慢したがっていたのよ。付き合いはじめた当初は、気の進まない瑠衣を無理に仲間内の集まりに連れて行って。式のときの席だって、瑠衣とは面識のない友人に見せびらかしたかっただけ。そのくせ、誰かに惚れられるかもしれないと心配にもなっちゃってさ。瑠衣に文句を言っていたのは知らなかったけど、遠藤君の方にもきっと原因があるのよ」
弘樹の事情は知らないが、私のために怒ってくれる渚に、不謹慎にもうれしくなる。