強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
それが無理とも無謀とも言えない理由。この会社を大きくする。誰よりも真摯に、時には貪欲にそう豪語するのが、他でもない椿不動産のトップに君臨する男、椿一静だからだ。

「瑠夏ちゃん、頼んでた資料どうなってる?」
「すみません、もうすぐできます!」
「ごめんね、瑠夏(るか)ちゃんも忙しいのに私の仕事手伝ってもらっちゃって」
「全然大丈夫です! むしろ涼先輩のお手伝いができるなんて光栄ですから! 先輩こそ、付き合いが長いからって理由で仕事押し付けてくる社長のせいで毎日大変じゃないですか!」

ちらりとこちらを見て眉を顰めるのは、後輩で二年目の野口瑠夏(のぐち るか)ちゃん。話し方や仕草はゆるふわ女子って言葉が似合う感じなのに、意外とハキハキものを言うので見てて気持ちいい。
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