強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
「私はいいの。 実際、兄の七光り?で入社した私にできることなんて、社長の意のまま求めるままに社畜やることくらいなんだよ」
「先輩は総務の逸材です! お兄さんのことがなくてもどこにでも通用する敏腕さを持ってますよ。それに美人だし…」
「ちょっとちょっと、最後のは関係なくない?」

兄の計らいで入社した私は社長に仕事に関して文句を言うつもりはない。瑠夏ちゃんは代わりに怒ってくれるけれど、私だって言いたいことは言うし、まあ、そこまで無茶ぶりされたり残業を強要されたりするわけでもないしね。多少責任の重い仕事や細かい所で厳しく見られてはいるけれど、社会人としてそれに応えるのは当たり前のこと。やり手の社長直々にご指導給われるなんて、むしろラッキーなんじゃない?とも思う。

「だって先輩、今月の会報見ました? また特集組まれてましたよ! 〝容姿端麗、仕事もできる芹澤涼。その秘訣は?〟って感じで」

すっかり話題が社長への文句から逸れた瑠夏ちゃんが嬉々としてパソコンの画面を社内会報に切り替えるのを、私はげんなりしてちらりと覗いた。
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