強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
また何を言い出すかと思ったら……。まあたしかに、休日然としたこの空間で社長、なんて単語は似合わない。

「じゃあ、椿さんでいいですか」
「えー、やだ」
「はぁ? わがままですか」

呆れた顔をすれば、社長はあっけらかんとして言う。

「一静って。ね、頼む」

へらりと笑う社長。真正面で食らうその笑顔は破壊力がすごくて、私はふいと目線を逸らした。落ち着け、私の心臓。静まれ。ドキドキしない、ドキドキしてない。名前を呼ぶだけ。今日だけの特別ミッションよ!

「一静…さん」

社長の表情がぱああっと明るくなる。分かりやすいなぁ。満足したようで何よりですよ…。

「芹澤のことも名前で呼んでいい?」
「それは意味ないですね。そのままでお願いします」
「流れでいけると思ったのに。芹澤ガード固い」

当たり前でしょ。私は全ての女子があなたを好きになるとは限らないって証明するんだから。
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