アタシより強けりゃネ[完]

2-Aの邦親くん

はぁ?さゆみんの相手?

無理、ムリ、むり、無理、ムリ、むり…impossibleだろ…さゆみんを蹴ったり出来ない。

強くなるために筋トレはガッツリやっているし、プロテインも飲んでる。おじちゃんとフミくんの手伝いをするために出向き、タイヤなどを移動させるような力仕事もしている。

フミくんからは

「力が強いからって強いんじゃないよ」

と忠告されている。分かってるよ…でもまずは筋力って思うよね?喧嘩の実戦なんて出来ないんだから。

だからといって、さゆみんを攻撃は出来ない。今日もめちゃくちゃ可愛い…可愛いでしょ?という素振りが全くないことが、さらに可愛さを増長させるようだ。

「しもっちゃんって、名前何?」
「「下田カケル」」

声を揃えたのは、真顔でも可愛いさゆみんと、ちょいワルを通り越したしもっちゃん。

「カケルさんでいいですか?」
「どーぞー」
「え…っ…なんか違う…」
「あっ…やっぱ、下田さんで」

さゆみんが違うって言うなら変えよう。

「何?三井サン?」
「俺を試してるんですよね?」
「だったら?頭のいい子は好きだよ、俺」
「しもっちゃん、めちゃくちゃ頭いいんだよね。IQが高いだけでなくって、アタシに勉強を教えるのもプロ。頭よくっても教えるのがうまい人って、限られてるでしょ?」

さゆみんがベタ褒めか…

「下田さん、ちょっと俺に付き合ってもらっていいですか?」
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