スイーツ王子の溺愛はケーキよりもなお甘い
◇
「いやー!本当にありがとね!御厨さん!好きなケーキぜーんぶ食べていいから!ね、貢!」
「……おう」
数日後、いつも通りノエルにやってきた柊登は、母から両手をあげて歓迎された。
心配事がなくなり、ノエルには数ヶ月ぶりに平穏が訪れた。
あれから、偽物がどうなったのかは知らない。
何度尋ねても貢は頑として口を割らなかった。
少なくとも二度と結乃の前には現れないだろう。
「お礼は結構です。結乃ちゃんからもらいましたから」
「え、そーう?まあ、いらないって言われちゃあねえ」
母は本当にいいのかと首を傾げながらカウンターへ戻っていった。
貢は柊登をジロッとひと睨みすると、無言で母の後に続いた。
「本当に良かったんですか?今ならシュークリーム一年間食べ放題にしろって言っても許されるのに」
柊登は二人に聞こえないように、そっと結乃に囁いた。
「俺が食べたいのは結乃だけ」
結乃の顔はりんご飴のように真っ赤に染まった。
おわり


