スイーツ王子の溺愛はケーキよりもなお甘い

 ◇

「いやー!本当にありがとね!御厨さん!好きなケーキぜーんぶ食べていいから!ね、貢!」
「……おう」

 数日後、いつも通りノエルにやってきた柊登は、母から両手をあげて歓迎された。
 心配事がなくなり、ノエルには数ヶ月ぶりに平穏が訪れた。
 あれから、偽物がどうなったのかは知らない。
 何度尋ねても貢は頑として口を割らなかった。
 少なくとも二度と結乃の前には現れないだろう。

「お礼は結構です。結乃ちゃんからもらいましたから」
「え、そーう?まあ、いらないって言われちゃあねえ」

 母は本当にいいのかと首を傾げながらカウンターへ戻っていった。
 貢は柊登をジロッとひと睨みすると、無言で母の後に続いた。

「本当に良かったんですか?今ならシュークリーム一年間食べ放題にしろって言っても許されるのに」
 
 柊登は二人に聞こえないように、そっと結乃に囁いた。

「俺が食べたいのは結乃だけ」

 結乃の顔はりんご飴のように真っ赤に染まった。



 おわり

< 59 / 59 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:62

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

拝啓、愛しのパイロット様

総文字数/57,205

恋愛(ラブコメ)110ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
文房具メーカーに勤務する小町はひょんなことから、 超絶美麗な文字を書く航空機のパイロット、由桔也と知り合う。 思わせぶりな彼の態度に翻弄される小町だけれど、 いつの間にか惹かれていってーー。 「きっと小町も俺を好きになる」 俺様なパイロットに容赦なく甘やかされる。 2025.11.30 連載開始
表紙を見る 表紙を閉じる
「このサイン入りブロマイドが欲しいなら 俺と結婚しなさい」 隣家に住む幼馴染の香月の名前と住所を 使って応募した懸賞。 見事当選!したのはいいけれど…… まさか所有権を主張されるなんて! 推しを人質に取られ仕方なく始まった おとなり契約結婚は予想外のことばかり。 ねえ、香月くん。 いつになったら私は貴方の『特別』では なくなるのでしょう? 推し活にいそしむヅカオタ女子と 心配性のオカン系小児科医による ちょこっと訳アリ?おとなり契約結婚! ※諸注意※ 他人の名義を勝手に使う行為は トラブルの元なので絶対にやめましょう! 作中に出てくる団体、個人名、演目名は 架空の物です。 2023.4.22 公開 2023.5.15 完結 チャマさん。レビューありがとうございます!
表紙を見る 表紙を閉じる
あの頃の私たちは今よりもずっと子どもだった。 2025.7.21 完結予定

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop