このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
「陛下。お目覚めになられたのですか?」
クライブもあきれて、顔を横に向けた。
「お前たちの話がうるさくて、寝られるわけがないだろう?」
どうやら狸寝入りをしていたようだ。
「私が思うにだな。マリアンヌが今は誰の子になっているのかを、きちんと説明すべきだと思うのだが?」
「安心してください。私一人でも、聖女様のお世話をする自信はあります」
ちっちっちっと言いながら、エーヴァルトは右手の人差し指を横に動かす。
「そうではない。マリアンヌには両親が必要だ。そして結婚式には『お父様、ここまで育ててくださってありがとうございます……』と、うっ、ううぅ……」
「陛下。落ち着きましょう。っていうか、勝手に暴走するな。マリアンヌ様は陛下の子ではない」
クライブの語調が荒れているが、その気持ちもわからないでもない。
「だって、マリアンヌはあんなにかわいいんだぞ? 他の男がほいほいと寄ってくるかもしれない」
「だからそうなる前に、アルベルト王子殿下と婚約を結ばせればいいでしょう?」
「そうだった」
クライブが大きく息を吐く様子を見て、イリヤも状況を理解した。おそらく、こんな調子でこのようなやりとりが一か月ほど繰り返されていたのだ。そこに、聖女の魔法暴走となれば、エーヴァルトよりもクライブに同情してしまう。
「……たく。陛下のせいで話がそれてしまってはないですか!」
「とにかく、とにかくだ。マリアンヌはクライブの養女になっている。イリヤ嬢、それでも母親を引き受けてくれるか?」
「えっ……」
イリヤは即答できなかった。ただこの仕事は非常に魅力的である。
クライブもあきれて、顔を横に向けた。
「お前たちの話がうるさくて、寝られるわけがないだろう?」
どうやら狸寝入りをしていたようだ。
「私が思うにだな。マリアンヌが今は誰の子になっているのかを、きちんと説明すべきだと思うのだが?」
「安心してください。私一人でも、聖女様のお世話をする自信はあります」
ちっちっちっと言いながら、エーヴァルトは右手の人差し指を横に動かす。
「そうではない。マリアンヌには両親が必要だ。そして結婚式には『お父様、ここまで育ててくださってありがとうございます……』と、うっ、ううぅ……」
「陛下。落ち着きましょう。っていうか、勝手に暴走するな。マリアンヌ様は陛下の子ではない」
クライブの語調が荒れているが、その気持ちもわからないでもない。
「だって、マリアンヌはあんなにかわいいんだぞ? 他の男がほいほいと寄ってくるかもしれない」
「だからそうなる前に、アルベルト王子殿下と婚約を結ばせればいいでしょう?」
「そうだった」
クライブが大きく息を吐く様子を見て、イリヤも状況を理解した。おそらく、こんな調子でこのようなやりとりが一か月ほど繰り返されていたのだ。そこに、聖女の魔法暴走となれば、エーヴァルトよりもクライブに同情してしまう。
「……たく。陛下のせいで話がそれてしまってはないですか!」
「とにかく、とにかくだ。マリアンヌはクライブの養女になっている。イリヤ嬢、それでも母親を引き受けてくれるか?」
「えっ……」
イリヤは即答できなかった。ただこの仕事は非常に魅力的である。