このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
イリヤは考えをめぐらす。
どちらにしろ、マーベル邸には戻れない。サブル侯爵家なんてもってのほか。
他に仕事を探したところで、見つかるとも思えない。となれば、この話はイリヤにとって願ってもいない、美味しい話なのではないだろうか。
「住み込み可と求人には書いてありましたが……」
やはり、仕事を引き受ける上で条件は大事だ。イリヤとしては衣食住の保証が欲しいところ。
「ああ。聖女様のために屋敷は準備する。だからお前もそこで一緒に暮らすようになる」
「あの……肝心のお給金は……私としては、やはり衣食住が気になりまして……」
「聖女様にかかる必要な資金は国から出る。お前にかかる金も、聖女様の必要経費としてまかなわれるはずだ」
「衣食住には困らない?」
「困るわけがない。この国が沈まぬかぎりな」
「……わかりました。是非ともこの仕事、引き受けさせてください。聖女様を立派な淑女に育て上げると約束いたします。年の離れた妹も三人おります。家庭教師の実績もあります」
自らを売り出し始めたイリヤが身を乗り出すと、クライブはやや引いた。
「ああ。お前の実績はこの紹介状を見て理解している。家のことも、わかっている……その、マーベル子爵の件は、残念だった。
申し訳ないことをした……」
「え?」
「いや、こちらの話だ……」
そこで、突然、第三者の声が割って入る。
「私が思うに」
エーヴァルトである。
どちらにしろ、マーベル邸には戻れない。サブル侯爵家なんてもってのほか。
他に仕事を探したところで、見つかるとも思えない。となれば、この話はイリヤにとって願ってもいない、美味しい話なのではないだろうか。
「住み込み可と求人には書いてありましたが……」
やはり、仕事を引き受ける上で条件は大事だ。イリヤとしては衣食住の保証が欲しいところ。
「ああ。聖女様のために屋敷は準備する。だからお前もそこで一緒に暮らすようになる」
「あの……肝心のお給金は……私としては、やはり衣食住が気になりまして……」
「聖女様にかかる必要な資金は国から出る。お前にかかる金も、聖女様の必要経費としてまかなわれるはずだ」
「衣食住には困らない?」
「困るわけがない。この国が沈まぬかぎりな」
「……わかりました。是非ともこの仕事、引き受けさせてください。聖女様を立派な淑女に育て上げると約束いたします。年の離れた妹も三人おります。家庭教師の実績もあります」
自らを売り出し始めたイリヤが身を乗り出すと、クライブはやや引いた。
「ああ。お前の実績はこの紹介状を見て理解している。家のことも、わかっている……その、マーベル子爵の件は、残念だった。
申し訳ないことをした……」
「え?」
「いや、こちらの話だ……」
そこで、突然、第三者の声が割って入る。
「私が思うに」
エーヴァルトである。