身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「如月ー」



総長室の真っ白いドアの前に立って、コンコンとノックをする。



でも、返事はない。



おかしいな。



普段なら、「入って」ってすぐに返事をくれるのに……。



とりあえず、ドアを開けてみるとするか。



どうせ今日も鍵をかけてないんだろうな。なんて思いながら、金色のドアノブを握ろうとしたその時。



――ガチャン



「うわっ⁉」



急にドアノブがひとりでに回って、思わずビクッと体が跳ね上がってしまった。



返事もなしにいきなり何⁉



せめて一言ことわってから開けてよ――、って……。


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