彼は推しと瓜二つ
6.真実
◯スーパーの売り場

音がおそるおそる売り場に戻る

音(…もう帰ったみたい………)

彼がもういない事を確認して、安心をする音
門倉と尾形に謝り、持ち場へと戻る


尾形「…杉山さん、大丈夫ですか……?」

音「え?別に腹痛とかではないから大丈夫だよ。」

尾形「……さっき戻ってきた時、ちょっと青ざめた感じしたので……」

音(……新人バイトの子にまで心配されるなんて、社員として失格だな……)

音「心配してくれてありがとう。でも本当に大丈夫!」


音は作り笑顔で気丈に振る舞う



◯閉店時間

締め作業を済まし、外へと出るスタッフ達

音「お疲れ様でした!」


尾形・門倉「……お疲れ様でした……」


2人は杉山の様子を気にしてか、何か言いたげである。
音は気付かないふりをして、2人に背を向けて帰っていく。


??「あの、すみません。」

音が1人になった時、後ろから男性に声をかけられる


音(……あれ、この声って………)


音がおそるおそる後ろを振り向くと、さっきまで店にいたMITSUKI似の男が立っている。

表情は見えないが、音はピリついた雰囲気を感じている


音「あの……どうして……?」


MITSUKI似の男「すみません…。どうしても話しがしたくて、ここにいれば会えるかなって……。
あ、家には一回帰って、閉店時間に合わせてここに来たので、あれからずっと待ってたわけではないんで!」

男は必死だった

音「……そうだったんですね……分かりました。
話しはここで良いんですか?」


男「こんな道端もあれですし、すぐ近くの公園に行きません?この時間なら人もいないので。」


音はゆっくり頷き、男と少し距離を置いて付いて行った。

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