靴擦れだらけのシンデレラ

「お見合いでのあのやり取りは隠しカメラと、そう太の袴につけておいたカメラと耳につけていたインカムで全て見させて貰っていた。そう太の行動や言動は私が指示をしていたんだ。」
「蒼真様困りますよ。英語はわたくし何年も使っておりませんから。」
「その質問に英語で本音を答えてくれた花ちゃんに心を奪われたんだ。『今 幸せか?』『どうだろう わからない』と。

地位と財産にしか頭にない人間しか寄ってこないから、包み隠さずあんな言葉を返すのが初めての経験で、駄目だと言うそう太をはね除けてあの場に行くところだった。」

隣に座りながら私の手をギュッと指を絡ませてくれるが、何がなんだかわからない。全て見られていたとか全然気付かなかった。ていうか確かにお饅頭さ…そう太さんは独り言を話すんだなぁ、わかるわかる私も独り言っちゃうからオッケーオッケーと思っていたけど、まさか王子とやり取りをしているとは思いもしなかった。

「何よりこんな叔父の見た目でも抵抗なくエスコートを受け入れた花ちゃんにノックアウトだったけどな。」
「わたくしもですよ。あんな白魚のような純粋な綺麗な手に触れて、余計汗が出てしまいましたよ。」
「それ以上触れるなと指示を出して離れて貰ったんだ。」

白魚とな!!美味しいやつ!!
というかその褒め言葉ちょっと古い!!でも何か凄い私の手を誉められてるけど、乾燥してるからけっこう私カッサカサだけどね?青色が特徴のニベアクリーム必需品ですよ?安いけど保湿性ばっちりだよ!ちなみに高橋さんは雪の元の信者だよ!

「花ちゃん…こんな感情は初めてなんだ。君を生涯かけて守り抜くと誓う。桜小路の全てを使って花ちゃんの人生が豊かで彩りのある日々を送れるように全力を注ぐ。

Please marry me I will definitely make you happy!
《結婚してください 絶対にあなたを幸せにします!》」


何処からそれを出していつから私の指のサイズを知っていたのか、リングケースから見えた指輪はこれ…おもちゃで見たことあるやつや…と思う程の青白く輝く超絶デカイダイヤモンドがついた指輪がドーーンと出しだされた。

これいくらするのーー!?
ていうかこれ付けて料理も掃除も買い物も行けるわけないやつー!!

「…蒼真様…、大変言いにくいのですが。」

ま、まさかプロポーズ拒否か!?と、王子とお饅頭さんが慌てて私の顔を不安そうに見る。

「指輪要らないです…金属アレルギーなので。」
「「ビビったぁ!!」」

と、流石血縁者二人、顔は違えど息がピッタリ。


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