【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!

2.おれに構うな

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カーテンの隙間から一筋の光が射しこんでいた。
小鳥のさえずりは、もう大分前から聞こえている。

……あれから一睡も、できなかった。

大地が記憶をなくすことによって私たちの関係が、以前と逆になったのは自覚していたつもりだった。

だけど───。

けたたましく目覚まし時計が鳴り、あわててベルを止める。

……だけど、昨夜見た大地は……。
大地の瞳のなかには、私をはっきりと拒絶する強さが宿っていた。
それは、言葉の放つ強烈さを、はるかにしのいでいた。

……もっとも「ウザイ」も「オバサン」も、私を動揺させるには、十分すぎるほどキツい単語だったけれども───。

身支度を整えて朝食の準備を終えた頃、父さんが起きてきた。

「大地くんは、まだ寝ているのか?」
「うん。……起こしてくるね」

利き手である右手の骨折と記憶障害のため、大地は一ヶ月の休学届を出していた。
それでも、規則正しく過ごした方が良いだろうとの判断から、私も父さんも、大地に登校時と同じ生活をさせていた。

洗顔のできない大地のために濡れタオルを用意し、彼の部屋をノックした。

「……大地? 入るね?」
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