【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
返事がないのは昨日の今日で、大地が私を無視しているのかもしれないと思い、ドアノブを回して部屋に入った。
大地はまだ、布団のなかにいた。

もぞもぞと寝返りをうつ様を見て、そっとベッドに近づく。

「大地? そろそろ起きない? 朝ご飯、用意でき……───」

次の瞬間、めまいを起こしたような感覚が、私を襲った。
気づいたら、天井を背にした大地に、見下ろされていた。

ベッドに組み敷かれるなんて、初めてじゃないのに。
それを、いまの大地にされるとは思わなくて……あ然として、大地を見上げた。

「なに……いきなり、どうしたの?」
「───おれに構うなって、言ったよね? それなのに、おれに近づくなんて……まさかとは思うけど、あんた」

至近距離で、頬をゆがめた大地が、ささやく。

「おれのこと、好きなわけ?」

侮蔑(ぶべつ)の色を濃くした眼差しが、私に注がれていた。

大地からそんな風に見られるなんて……思われるなんて、想像もしていなかった。

ここにいる大地は、誰なんだろう?
私の好きな大地は、どこにいるんだろう?

「それなら、慰めてもらおうか。遠慮するなって言ってたことだし?」

嫌がらせのように、太ももに下半身が押しつけられた。
いきなり下着のなかに入りこんできた指先に、鳥肌が立つ。

「……ふざけるんじゃないわよっ。誰が、あんたなんかっ……!」
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