【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
私は思いきり、大地を突き飛ばした。
大地が怪我人だってことは、頭からすっかり抜け落ちていた。

「こっちが下手にでていれば、いい気になって……!
馬鹿にするんじゃないわよ、このっ、エロガキがっ!」

鼻息も荒く、大地をにらみつける。

突き飛ばされた拍子に右手をついてしまったのか、大地は顔をしかめて右手を抑えこんでいた。

───こんなの、大地なんかじゃない。虐げるためだけに、私の身体に触れようとするなんて……!

「あんたは、記憶と一緒に品性までなくしてきたの? 私を……これ以上、がっかりさせないで!」

怒鳴った拍子に、目じりに涙がにじんでいた。

ところが、そんな私に対し、大地は鼻で笑ってみせた。

「……品性って……。それをあんたが言うんだ? 高校生相手に……しかも、弟に欲情して、性欲処理させてたくせに」
「───なっ……」

大地の話す内容に、私は絶句した。
一瞬、何を言われたのか、理解が追いつかなかった。

「催眠療法だかなんだか知らないけど……見たくもない過去の記憶、スライドショーで断片的に見せられてるようで……。
アレが、どれだけ苦痛か、あんたに解るか?
おれでないおれが、我慢して堪えて……嫌われないように、機嫌をとって。《豚》相手に、腰振ってるんだ。
一体、《こいつ》はなんの修行をしてるんだって、思ったよ。
……親父は知っているのか? 《あんた達》のふしだらな関係」
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