【完結】君じゃ勃たないと振られたら、俺なら勃つと突然に。

「なのに、お前は中学の時に……兄貴が好きだとか言い出して……」

 蒼紫が下を向く。
 黃美子も覚えている。
 『好きな人がわかったの! 気付いちゃったんだ。ずっと近くにいたんだ』と言った時の蒼紫の顔。
 目を丸くして驚いて、それから……喋らなくなった。
 あぁ……あれは自分かも? と思ったんだ。と黃美子は気付く。

「……何年前から……?」

「だからずっとだって」

「そうじゃない……私……ずっと蒼紫を傷つけてきたの……?」

「自惚れんなよ……傷なんかつかねーし」

「桃君と付き合えた時……お祝いしてくれた」

「お前だって十年片思いして、やっと付き合えたんだから祝うしかねーだろ」

「……それなのに……私が色気ないせいで振られちゃってね。ハハ」

「だから、それは兄貴がクソなだけだから」

 蒼紫のトレーナーの袖を掴んだまま、黃美子は下を向いた。
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