人狼様と魔王の側近
「お二人は仲がいいんですね」

「父様たちみたいだ」

ヴィオレットとクラルが微笑みながら言い、二人の顔は一瞬にして赤くなる。オリバーが顔に手を当てながら、「こんなところでイチャつくのは……」と困ったように言った。

「べ、別にイチャついてるわけじゃ……!」

イヴァンがそう否定した時だった。壁を見ていたルーチェが「文字が!」と叫ぶ。そこには赤い文字が浮かび上がっていた。

『そこにあったのは巨大な穴だった。底が見えないほど暗く、闇に包まれている』

それをヴァイオレットが目にした瞬間、全員の足元から床が消えた。ヴァイオレットたちの足元に巨大な穴が現れ、そこに吸い込まれるように落ちていく。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

悲鳴が辺りに響いた。










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