海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜



行き先はすでに決めてあるのか、、


凪砂は自身が乗って来た車に私を乗せて、何も言わずに発進させた。


音楽も何も流れていない車内はとても静かで、少し緊張する。




─…何も私たちって二人の時何話してたっけ?



いや、主に私一人が話していた記憶しかない。



窓の外を見ながら、夜に出歩くなんていつぶりだろうっと考えていると、突然膝に置いていた手に凪砂の手が乗せられて、驚いて飛び上がる。




「─…なんか喋って」


重ねられた手のひらから伝わってくる凪砂のぬくもりに、泣きそうになる。



「な、凪砂の手・・・温かいね。そういえば私たちが初めて手を繋いだ時の事覚えてる!?ほら、あの蕎麦屋さんで凪砂が突然付き合ってみる?って言ってきた帰りに、テンション上がった私が凪砂の手をギュって・・・」



そうだ、そんなこともあったな・・・


自分から繋いだ私の手を、強く握り返してくれた凪砂の手も、今みたいに温かかったのを今でも覚えている。



< 117 / 134 >

この作品をシェア

pagetop