好きを極めた乙女の駆け引き

「願っといてなんだけど叶うと思ってなくて、半信半疑――つうか、10-0で疑の勝利だな。コールドゲームだよ。だから、まさかすぎて。これって奇跡だろ」


「……あ、あのさ。ひとつ、聞いていい?」


わたしは、ひとり言のように話す安心院くんに、ようやく口を挟んだ。


「ん?」

「その好きな子への魔法が、間違ってわたしにかかっちゃった、とか。そういう話?」

「あー……そう捉えたか」


すると、安心院くんが姿勢を正して、体ごとわたしのほうを向いてきた。


「俺は、御園と同じ気持ちだと思ってる。違う?」

「え、っと……」


同じ気持ち? わたしと安心院くんが?


「違う」

「違うの?」

「だってわたし、安心院くんのこと本当に好きで好きで。ひとめぼれして、ずっと見てきて。口ではくそ野郎とか言って、心の中ではかっこいいの連呼で。もう好きを極めすぎて、生きててくれてありがとうとか、古参ファンみたいなこと思っちゃったり」

「うん、じゃあ俺と一緒じゃん」

「……っ」


安心院くんが屈託のない笑顔を見せてくるから、わたしはもうなにも言えなくなった。

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