らくがきと恋心
1週間後、総合実習室。
“焼きそばパン美味かった”
丁寧に書かれた文字の下には焼きそばパンの絵が描いてあった。
ふと、先日のハッシュの人の顔が脳裏に浮かぶ。
いやぁ。
焼きそばパン買ってた人いっぱい居たし。
あの人は、たまたま話をしただけだし。
私は、授業中ひたすら何とメッセージを返すか悩んだ。
書いては消して、書いては消して。
「…よし」
“ハッシュ食べ過ぎました”
何のジャブにもなっていないような気もするけれど、そう書いてみた。