もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
ハンバーガーショップで昼食を済ませ、あてもなく通りをぶらぶら歩いているときだった。
美術館に併設されているハイセンスな花屋の前を通りかかったとき、大きな花束を抱えて店から出てくる男女を目にして、わたしはとっさに美術館のロビーに入り、ガラス窓から二人の様子を盗み見た。
玲伊さんと笹岡さんだった。
ふたりで和やかに談笑している。
職場にいるときとはまるで違う雰囲気で。
それに、やっぱり二人が並んでいると絵になる。
まるで、映画のワンシーンのよう。
通りを渡った彼らの姿が見えなくなっても、わたしはしばらくその場から動けなかった。
やっぱり、そうだよね。
わかっていたことだけど。
玲伊さんが本当の兄だったら、どれほど良かっただろう。
そうすれば、こんな、身を引き割かれるほどのつらさなんて、味わわずに済んだのに。
美術館に併設されているハイセンスな花屋の前を通りかかったとき、大きな花束を抱えて店から出てくる男女を目にして、わたしはとっさに美術館のロビーに入り、ガラス窓から二人の様子を盗み見た。
玲伊さんと笹岡さんだった。
ふたりで和やかに談笑している。
職場にいるときとはまるで違う雰囲気で。
それに、やっぱり二人が並んでいると絵になる。
まるで、映画のワンシーンのよう。
通りを渡った彼らの姿が見えなくなっても、わたしはしばらくその場から動けなかった。
やっぱり、そうだよね。
わかっていたことだけど。
玲伊さんが本当の兄だったら、どれほど良かっただろう。
そうすれば、こんな、身を引き割かれるほどのつらさなんて、味わわずに済んだのに。