もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
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そんなこんなでプロジェクトがはじまって、ちょうど1カ月目。
季節はもう梅雨に移っていた。
その日は〈リインカネーション〉の休館日で、玲伊さんの施術だけが予定されていた。
それもめずらしく午前中に。
「今日でちょうど1カ月だな。うん、だいぶ理想に近づいてきた」
VIPサロンでいつものようにトリートメントとマッサージをしてもらい、ブローを終えたところで、玲伊さんはわたしの髪の手触りを確かめながら言った。
たしかに以前とはくらべものにならないほど髪がしっとり落ち着くようになった。
手櫛ですくと、するりと指の間からこぼれ落ちてゆく。
「玲伊さんに施術してもらうようになって、髪が縺れることがなくなりました。前は朝、とかすのが大変だったけど」
「でも、こんなに早く効果が表れてくれたのは、優ちゃんがエクササイズや食事の管理を真面目に取り組んでくれているおかげだよ」
「そんな、わたしは何も」
玲伊さんは首を横に振った。
「いや、だって優ちゃん、運動苦手なんだろう。それにいくら近いからって、昼夜の食事に通ってもらうのも結構、大変じゃないか」
そうしろ、と言ったのは、当の玲伊さんなんだけど。