もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 玲伊さんは特に気にしたふうもなく、ストールから手をはずし、こっちへと言って、歩きはじめた。

 ビルの最上階にある、玲伊さんの部屋はメゾネットタイプで室内に階段がある。
 そこを上がると、突き当りに屋上に出るためのドアがあった。

「どうぞ」
 玲伊さんがノブを回して押し開くと、目に入ってきたのは、芝生の緑。

「すごい……」
 わたしは思わず声を上げた。

 目の前に、とても都会の中心部にあるビルの屋上とは思えない、立派な庭園が広がっていた。

 タイルが敷かれた通路に沿って、シルバークレストの大きな鉢や色とりどりの花の寄せ植えが置かれている。
 またフェンスぞいには花壇も作られている。

 彼はまずわたしをそこに案内した。

「ここでエディブルフラワーやハーブを育てているんだ。レストランやカフェで使うためのね」
 
 芝生の中央には、斜めの木枠と波打つ白い布製の屋根が印象的な東屋(あずまや) があり、その下にテーブルと椅子が置かれていた。

 そしてテーブルには、華やかに盛り付けられた二人分のアフタヌーンティー・スタンドがすでにセッティングされていた。

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