もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「優ちゃん……」

「すみません。今日は……もう帰ります。ごちそうさまでした」
 わたしは席を立って、出口に向かった。

 すると彼もすばやく席を立った。
 後ろからわたしの腕をつかんで引き寄せ、そのまま強い力で抱きしめてきた。

 その瞬間、玲伊さんのコロンの香りに包まれた。
 その香り、彼の体温、何もかもに惑わされ、そして耐えられないほどつらくなる。

 身をよじって、わたしは言った。

「言いましたよね。ハグは嫌だって」
 
 玲伊さんは何も言わない。
 わたしを抱きしめたまま、離してくれない。

「離して……」
 さらに体をよじって無理やり離れると、彼はわたしの肩をつかんで引き寄せた。

「玲伊さん、離してってば」
「そんな顔、するなって」

 そう呟いた次の瞬間、玲伊さんはわたしの後頭部に手を添えて、覆いかぶさるように口づけた。

 ……なんで、そんなことするの。

「やめて!」

 渾身の力をふりしぼって、彼の胸を両手で押した。

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