もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~

「ねえ、どうしてなんだ。楽しく過ごしているときに限って、優ちゃんはときどき、たまらなく寂しそうな顔をする」

「ごめんなさい」
「謝ることはない」
 そう言って、彼はゆっくり首を振る。

「玲伊さん……」
「ただね、その寂しさの正体を突き止めたくなるんだよ、いつも」

 それは……
 玲伊さんが優しすぎるから。

 そう告げたら、彼はどんな顔をするんだろう。

 玲伊さんに優しくしてもらうと、この上なく嬉しい。
 でも、同時に身が引き割かれそうになるほど、つらくなる。

 自分が彼の〈妹ポジション〉にしか、居られないことが。


「なんでもないです。ごめんなさい。玲伊さんがせっかくご褒美を用意してくれたのに」

「だから、謝るなって」
 
 玲伊さんは手を伸ばし、わたしの頬にそっと触れた。
「優ちゃんの寂しそうな顔を見るたびにたまらない気持ちになる。そして、どうしてもその傷を癒してあげたくなるんだ」

「そんなに……優しくしないでください」
 眼の縁に涙がたまってきて、すっと頬を流れ落ちた。

 もう限界だった。
 玲伊さんを好きになりすぎた。
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