もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 「風があって気持ちいいね」

 夏真っ盛りだから日中の熱気がまだまだ残ってはいたけれど、それでも芝生に座ると、ひんやりしていて心地良かった。

 玲伊さんはプルトップを開けて、ビール缶を手渡してくれた。
 乾杯すると、ぐいぐいと飲んで「あー、暑い時期のビールはやっぱりうまいな」とご満悦だ。

 それから、わたしに視線を向けた。

 「優紀、あらためてよろしく」
 「こちらこそです。わたし、料理下手だし、玲伊さんに幻滅されるかもしれないけど」

 「こらまた。謙遜しすぎるのは優紀の悪い癖だって、いつも言ってるだろう」
 「うん。これから気をつけるようにする」

 彼はちょっと苦笑いを浮かべて、ビールを芝生の上に置いた。
 そして、わたしの肩に腕を回して抱き寄せた。

 それから顔を覗き込んでくる。

 「俺はさ……どんな優紀も好きなんだよ。すぐいじけるところも、結構頑固なところも、それから、甘いものに目がない食いしん坊のところも」

 「なんか……いいとこ、ぜんぜんない」

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