もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 「オーナー、彼女に話をまったく通していなかったんですか? あれだけ、自分に任せろとおっしゃっていたのに」とあきれ顔。

 「ああ、そうだよ。事前に話をしたら、加藤さん、絶対尻込みしてこの場にも来ないと思ったんでね」

 玲伊さんの言葉に、わたしは大きく頷いた。
 「そりゃそうですよ。とにかく、どなたか他の方にお願いしてください」

 「いや、俺はきみでなければやらないから」
 「もう、玲伊さん……」

 わたしたちが言い合うさまを見て、紀田さんが悲痛な声を上げた。

 「うわ、どうしよう。まさか、断られるなんて、本当に思ってもみなかったもので。どうやってこの穴を埋めたらいいか……」

 笹岡さんも胸の前で腕を組み、苦虫を噛み潰したような顔で「考えなおしてください。うちの一周年を大々的に取り上げていただくんです。こんな宣伝効果の高い企画をオーナーの一存でつぶすなんて愚の骨頂ですよ」と言う。

 ふたりに引き留められ、玲伊さんはしぶしぶ椅子に座り直した。
 そして、パニックを起こしかけている紀田さんを宥めるように言った。

 
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