もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
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そしてわたしは、なかば拉致されるように8階の玲伊さんのプライベートルームに連れていかれた。
「あの……玲伊さん」
ソファーまでコーヒーを持ってきてくれた玲伊さんに、わたしは恐る恐る話しかけた。
「やっぱり無理です……わたしには荷が重すぎます」
「なんで?」
「だって、どんなに頑張ったところで、わたしなんかが綺麗になれるわけないですし」
玲伊さんは眉を寄せて、小さくため息をついた。
「また『わたしなんか』か」
「だって事実だから」
「あのさ、優ちゃん。俺を誰だと思ってるの?」
うわ、出た。
なんという俺様発言。
でも、たしかにうなずけるほどの実績を上げている訳だから、文句は言えない。
玲伊さんはわたしの隣に腰を下ろしてきた。
ソファーの座面がへこみ、彼のほうに体が傾きそうになり、慌てて座り直す。
「『綺麗になれない』っていうのは、『俺には無理』って言ってるのと同じことだけど」
彼は横眼でわたしを軽くにらむ。