もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~

***
 

 そしてわたしは、なかば拉致されるように8階の玲伊さんのプライベートルームに連れていかれた。
 
 「あの……玲伊さん」

 ソファーまでコーヒーを持ってきてくれた玲伊さんに、わたしは恐る恐る話しかけた。

 「やっぱり無理です……わたしには荷が重すぎます」
 「なんで?」
 「だって、どんなに頑張ったところで、わたしなんかが綺麗になれるわけないですし」

 玲伊さんは眉を寄せて、小さくため息をついた。
 「また『わたしなんか』か」
 「だって事実だから」

 「あのさ、優ちゃん。俺を誰だと思ってるの?」

 うわ、出た。
 なんという俺様発言。
 でも、たしかにうなずけるほどの実績を上げている訳だから、文句は言えない。

 玲伊さんはわたしの隣に腰を下ろしてきた。


 ソファーの座面がへこみ、彼のほうに体が傾きそうになり、慌てて座り直す。

 「『綺麗になれない』っていうのは、『俺には無理』って言ってるのと同じことだけど」
 彼は横眼でわたしを軽くにらむ。

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