もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 わたしは慌てて首を振った。
 「違います。そんなつもりはまったくないです。でも、いくら玲伊さんに施術してもらうにしても、こんな十人並み以下が『KALEN』に載るなんて、どう考えてもおかしいです」

 彼はカップを取り、コーヒーを一口飲んだ。
 「俺はどうしても、優ちゃんに今回のモデルになってほしいんだよ」
 
 そう言うと、わたしの手を掴み、ぐいっと自分の方に向かせた。

 え、なんか近い。
 とっても間近に玲伊さんの顔がある。
 どういう状況、これって。
 心臓が大暴れして、口から飛び出しそう。

 「優ちゃん」
 彼はもう一方の手を伸ばして、わたしの眼鏡に手をかけ、外した。

 わー!
 こんな麗しい顔にこんな至近距離で見つめられたら……卒倒しちゃうって。

 ああ、でも、玲伊さんの目、なんて綺麗なんだろう。
 瞳をとりまく虹彩が琥珀色だ。
 今まで、気づいていなかったけど。

 どぎまぎが限界まで達しているわたしを置いてきぼりにしたまま、彼は真正面から見つめてきた。


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