もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 わたしもつられて笑っていた。
 担当してくれるのが、ほがらかな岩崎さんで良かった。

 会社でのことがあって以来、同年代の女性に苦手意識があったけれど、岩崎さんには気詰まりをまったく感じない。
 会話を深読みする必要がなく、素直に返事を返すことができる。
 

「ディナーパーティーには、おそらく出席されるでしょうから、どうぞこちらのお食事もご堪能くださいね」

「楽しみです。わたし、とっても食いしん坊なので」

「わー、同じです。わたしも食べることが大好き。美味しい物を食べる幸せに勝ることってないですよね」
 にこにことわたしを見る彼女に頷き返した。


 それから、エステルーム、メイクスタジオも案内してもらい、最後にジムに向かった。

 メンテナンス日の決まりなのだろう。
 どの階に行っても業者さんが丁寧に清掃作業にいそしんでいる。
 
 当然、ジムも定休日で、わたしたちの他には誰もいなかった。

 広く明るい室内には、ランニングマシンやエアロバイク、それに、どうやって使うのか、皆目見当がつかない筋トレ用の機器がずらりと並んでいる。

< 77 / 277 >

この作品をシェア

pagetop