もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 ジムを出て、扉に鍵をかけながら岩崎さんは言った。

「今日はこれで終わりになります。お疲れ様でした」
「どうもありがとうございました」

 そのとき、ふと思った。
「もしかして岩崎さん、今日、お休みの日だったんじゃないんですか?」

「いえ、休館というのは店舗部分だけです。私たち事務スタッフは基本的に土日が休日なので、今日は出勤日ですよ」

 わたしはほっと息をついた。

「それならよかったです。わたしのために休日返上されたのだったら、申し訳ないと思って」

「いいえ。それにもしそうだとしても、そんなお気遣いはいらないのに。今回の件はこちらから加藤さんにお願いしていることですし」

 そう言いながらも、岩崎さんはにっこり微笑んでくれた。
「加藤さんが優しくていい人で良かったです」

「こちらこそ、ご担当が岩崎さんで本当に良かったと思ってました」

 わたしたちは何、褒め合っているんでしょうね、と言いながら、顔を見合わせて、ふふっと笑いあった。

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