このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
わたしはすぐさま顔をそらす。


家の中からは、楽しそうな声が聞こえてくる。

だれも、その裏に泥だらけで草むしりする家政婦がいるとは思ってもいない。


…これでいいんだ。

今日のわたしの仕事は、だれにも気づかれずに目立たないようにすることだから。



* * *



「こんなところにいたのか」


突然、わたししかいないはずの庭にだれかの声が響く。

驚いて顔を向けると、それは名取くんだった。


「なっ…名取くん!どうして…」

「それはこっちのセリフだよ。家政婦として働いてるとは聞いてたけど、こんな隅に追いやられるような扱い…」

「…違うの!今日はもともと、ここの辺りの草むしりをしようと思っていたから――」


と言って立ち上がろうとしたとき、急な立ち眩みでよろけてしまった。
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