このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
第三夜 光り輝く未来
わたしが出ていったと知って、お父さんや由美さんからは恐ろしいくらいに着信とメッセージが送られてきた。


きっと、わたしの身を心配する連絡ではない。

明日からの家事をどうするのだという怒りのメッセージだろう。


ずっとスマホが震えっぱなしだったから、わたしはそれらすべてを拒否設定にした。



それから数日後。

わたしはネットカフェに泊まりながら、新たな職を探していた。


少しなら貯金はある。

だけど、この子を生み育てていくとなると全然足りない。


幸い、わたしの学歴でも雇ってもらえそうなところはいくつかあった。

しかし、妊娠していて満足に働くことができないというハンデで、なかなか仕事は見つからなかった。



――富士川家を出て10日後。

今日は、初診で予約していた産婦人科に通う日。
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