このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
でもたしかに、ナトリホールディングスに切られれば、富士川電機で働くなんの罪もない人たちの生活が危ぶまれる。

こんなわたし個人の問題で、そんなことにまで発展してほしくない。


「名取くん…」


わたしは、隣に座る名取くんを見つめる。

すると、不安そうなわたしの表情から名取くんはすべてを読み取ってくれたのか、フッと笑ってみせる。


「…わかりました。取引を切るというお話はなかったことにしましょう」

「本当ですか…!?」


さっきまで今にも死にそうなやつれた顔をしていたお父さんの表情がパッと明るくなる。


「…ほらね!結弦さんならどうにかしてくれると思った〜」

「そうよね。なにも、私たちが頭を下げなくたってよかったのにっ」


愛理さんと由美さんは、その脇でぶつぶつと小言をもらしている。
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