このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
「…あたしは絶対にイヤよ!もしパパが社長じゃなくなったら…」

「社長でなくとも、生きてはいけます。…まあ、今のような暮らしはできないとは思いますが」


愛理さんは愕然としていた。

身につけているものすべてがブランド物である愛理さんにとっては、今の暮らしが維持できないということは耐え難い屈辱だった。


「…あなたたちが僕ではなく、誠心誠意をもって澪に頭を下げたのであれば考え直すつもりでした。でも、そうはしなかった。自分のことしか考えられない方たちとは、これ以上付き合いきれません」


名取くんは乾いたため息をつく。


「ちょっと…パパ!どうにかしてよ…!!」

「わ、わかった…結弦くん。澪に謝ればいいんだな…?」

「もう遅いです。パフォーマンスだけの謝罪は結構」


名取くんはそう言い放つと席から立った。
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