リングノート〜必ず君を甲子園に連れて行く〜

持つべきものは友

とは言うものの、テスト勉強なんて

ほとんどしたことがねーから

やり方がわからねぇ。

次の日の朝練が終わってから、

教室の机に突っ伏しながら

俺はそんなことを考えていた。


ドンっっっ!!

なんだ?上を見上げると、すずがいた。

「朝からなんだよ、すず、」

「あんた!なにボケーっとしてるのよ!次の期末赤点取らないためには、休んでる暇なんてないわよ!これ、昨日私が全授業の要点まとめてきたから、あと2週間で覚えてっ!」

数十冊のノートが俺の机に置かれていた。

「これ全部覚えんの?!無理だろ」

「期末に出そうな箇所だけまとめたから、これ覚えれば赤点にはならないはずよ。あんたはつべこべ言わず、やるしかないの!じゃなきゃ、春の甲子園出られないんだからね?!わかってる!?それはあんたにとってもチームにとっても終わりよ!」

「てか、すずなんか顔色悪くね?目の下黒いけど」

バッコーーんっ!

いてっ

「誰のせいでこうなったと思ってるのよ、昨日一睡もしてないんだよっ」

「お前すげーな、、、いやー俺もさ、徹夜で勉強してー気持ちは山々なんだけど、練習終わった後寮で勉強しててもさ、いつの間にか朝なんだよなぁ。」

「私、今日から毎晩勉強教えるから!寮生は20時からご飯でしょ?ご飯30分で食べ終わって!20時半から23時半までの3時間、テレビ電話繋げて勉強するぞ!!」

「いやぁ、お前まじで頼もしいわ、俺ほんと良い親友持ったわ。ありがとな、すず。」

そう話してる俺たちの元に、

日野と烈がやってきた。

「おはよぉ、2人とも何の話してるのぉ〜?」

「優佳ちゃん、聞いてよ、、こいつ昨日授業中寝てたじゃん?そのせいで、俺たちまで罰与えられてんのよ〜。で、今日から毎晩すずが翔に勉強教えるのよな。」

そういうと、日野は上目遣いですずに聞く。

「すず〜、もしよかったら私にも勉強教えてほしいなぁ。その勉強会、私も参加しても良い〜??」

すずは少し戸惑ってから答える。

「いいよっ!私でよければ!」

すると烈が、優佳ちゃんいるなら俺も〜って言って、

今日から期末テストまでの間、

4人で勉強する事になった。
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