離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
なんて思っているうちに、先生はあっという間に間食して立ち上がった。

「ごちそうさま」

「早いって!」

早食いは早死にのもと。

医者の不養生ってこういうことか。

「もう出ないといけないから」

先生はささっと自分の食器を洗い、スタスタとリビングを出ていく。

ああそう、やっぱり忙しいのね……。

普段の仕事が大変だと自炊する時間も食べる時間も片付ける時間も惜しいよね。

そりゃあ買い弁か外食かパンになるわけだ。

いつもの速度で食べ終えた私が食器を持って立ち上がると、すでに出かける準備万端の先生が現れた。

「じゃあ、先に行くから」
「はい、行ってらっしゃい」

自分はもう少し後に出よう。最寄り駅がいつもと同じ沿線だから定期使えるし。

なんて考えていたら、先生が目の前に迫ってきた。

な、なんだ?

食器を持ったまま下がろうとしたが、背後にはテーブル。

退路を失った私を追い詰め、先生が手を上げた。

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