離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
反射的に目を閉じると、額になにかが触れた。

なに、今の。

目を開けると、先生ののどぼとけが離れていく。

彼は顔をまともに見せず、頭をくしゃくしゃと撫でて行ってしまった。

残された私は、ぼけっとその場に立ち尽くす。

前髪をよけられたような気がして、そのあとおでこが温かく……。

「え、ええええええ~!」

まさか、おでこにキスされた⁉

経験がないし目を閉じていたのでよくわからなかったけど、状況から考えてそうなのでは。

食器を落としそうになり、慌てて持ちなおす。

いくら夫婦のフリをするって言っても、家では普通にしていればいいのでは?

相手がいったいどういうつもりでやったのかわからない。

わからないのに、こんなに胸が高鳴るのはなぜなんだろう。

混乱した私は、あっという間に思考停止した。

「うん、仕事行こう」

仕事をしていれば他のことを忘れられる。

私はロボットのようにきびきびと、でかける準備をした。

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