離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
職種が違えば、勤務中に会うことも少ない。

「いざというときによそよそしいと、せっかくの契約結婚が嘘だと思われる」
「そうかなあ」
「というわけで七海。今日から七海と呼ばせてもらう」
「ええっ」

いきなり名前で呼ばれ、のけぞってしまった。

同期にさえ名前で呼ばれたことはない。

「嫌か。ナナミンとかのほうがいいか」
「それは嫌です。七海でいいです」

漫画のキャラかご当地ゆるキャラみたいなあだ名をつけるでない。

「よし、七海だな。俺のことは圭吾でいいから」
「あ、はい……」

しまった、うまく誘導されたような気がする。

圭吾、圭吾ねえ。笠原圭吾。ミステリー作家みたいな名前。

それはともかく呼び捨てするわけにもいくまい。

とすると、圭吾くん? けいちゃん? いや、普通に圭吾さんか。

「けけけけけっけ、圭吾さん」

なぜかやけに緊張して、変わったニワトリみたいになってしまった。

「かわいいなあ」

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