離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「おっ……いしい……!」

なにこれ。

正直回転寿司でもごちそうで、心からおいしいと思ってきた私でも違いがわかる。

マグロの油が舌の温度でとろける。

イカはほどよい歯ごたえで、噛むほど甘くなる。

「どう? おいしいだろ」
「はいっ、とっても」

私は何度もうなずく。

圭吾さんは私の顔をのぞきこんで笑った。

「今まで見た中で一番目が輝いてる」
「キラキラしてますねえ。お嬢さん、たくさん食べていってくださいね」

大将は気をよくしたのか、美しいお寿司を次々に握ってくれる。

私はそれを遠慮なくいただいた。

こんなにおいしいお寿司、離婚したら二度と食べられないかもしれない。

「いい食べっぷりだ」

男の人にも負けないペースで食べる私を、圭吾さんは微笑んで見ていた。

夜職のお姉さんたちは、先に店を出ていった。

私たちはお腹いっぱいお寿司を食べ、ついでに赤だしや茶わん蒸しまでたいらげて、ゆっくりお店をあとにした。
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