離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「難しいですね」

看護師になってから患者さんを励まし続けてきたわけだけど、なにかを諦めさせたことはない。

「そうだな」

圭吾さんは進行方向を向いたまま小さなため息を落とした。


数日後。

なぜか「笠原先生が結婚したらしい」という噂が病棟中、いや病院中に広まっていた。

仕事中もオペ室の看護師から病棟に「笠原先生って誰と結婚したんですか?」と謎の電話がかかってくる始末。

とうとう師長さんが出てきて「仕事中に個人のプライベートのことを話すのは禁止にします」と、病棟看護師全員でお叱りを受けた。

もちろん私も一緒にお説教を聞いていた。

みんなを巻き込んでしまって申し訳ない。

「ところでさあ、笠原先生と結婚したのって本当に院内の人なんかね?」

仕事が終わってから、着替えを終えた千葉くんと病院の出口で偶然出会った。

駅まで歩く道すがら、やっぱり話題は「笠原先生の結婚」だ。

こっそり師長に呼ばれて話をしたところ、おそらく看護局か人事から漏れたのではないかということだった。

ほらやっぱり。こうなるんじゃないかと思ってたよ。

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