離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
突然うれしそうにそんなことを言うものだから、私は鮭を喉に詰まらせそうになった。

「毎日はムリかもしれません」

期待されるとプレッシャーに感じる。

庶民の食卓がずーっと続けば飽きるだろうし、なにより私が毎日毎食自炊ができるほどの気力がない。たまには楽したい。

「うそ、冗談だよ。看護師は忙しいもんな。医者より大変なんじゃないかって思うよ」
「そんなことは……」

まあ、えばっていられる立場の医者より、患者と患者家族と医者と……いろんな方向からの板挟みにあう看護師の方がつらいんじゃない
かと思うことはある。

だけど、今の状況で言えば、圭吾さんのほうが絶対に忙しい。

「夜勤もあるし、休みは不規則だし」
「そうですね」
「俺もおいしいご飯作れるようにならなきゃいけないな」

最後のご飯の塊を咀嚼して飲み込むと、圭吾さんは立ち上がる。

「ありがとう。元気出た。これで午後も頑張れる」

まだ食べ始めて十分くらいしか経ってない。休憩時間が少なすぎやしないか、心配になる。

そんな思いが顔に出たのか、圭吾さんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

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