離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「おお、おいしそうだ」

メインは焼き鮭で、ごま塩をふったご飯の上に乗せてある。サイドには野菜の肉巻き、ひじきの煮つけ、緑はアスパラ。隙間は卵焼きで埋めてある。

中学生くらいから、忙しい母の手伝いで台所に立っていたことが功を奏した。

ただ、そこまでSNS映えもしないし、豪華でもない、普通のお弁当である。

気に入ってもらえるだろうか。今更心配になってきた。

「いただきます」

私の心配はよそに、圭吾さんは割り箸を割って野菜の肉巻きから食べ始める。

休憩時間がなくなってしまうので、私も蓋を開けた。

「うん、おいしい」

言葉少なに、もくもくと平らげていく圭吾さん。

「こういうの求めてた」
「庶民の味ですよ」
「優しい味って言うんだよ」

今までも朝と夜は作ったことがあるけど、お弁当は初めて。

彼は庶民の味に慣れたのか、おいしそうに食べてくれる。

「これからもずっと、昼はこういう弁当がいいな」

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