離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
一週間もすると、病棟看護師の名前と物の置き場はほとんど頭に入った。

病棟独特のルールにも、千葉くんのおかげで対応できている。

「おはよう」

朝、台所にいたお母さんに声をかける。

お母さんは長年蓄積したストレスのせいか髪が強いパーマをかけたようにチリチリだ。

「あれ、今日は休みじゃなかった? 早いね」
「うん、そうなんだけど。ちょっと勉強してくる」

トートバッグにノートを詰め込む私を、お母さんは感心そうに見る。

「高校までは全然勉強しなかったのにねえ」
「ははは」

笑って返すと、がらりと台所の戸が開いた。

だって、少しは勉強しないと。

知らない、忙しいからできない、病院が研修をしてくれないからわからない。

それはこっちの事情であって、患者さんには関係ない。

患者さんになにを聞かれても大丈夫なように、知識を入れておかなきゃ。

自分が患者だったら、全然自分の病気のことがわからない看護師に担当してもらうの、やだもん。

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