離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「がっかりしたわ。いい看護師だと思っていたのに」
それだけ言って、安藤さんは踵を返す。
師長と主任に左右を挟まれ、彼女は静かに病棟の出口へ向かう。
「がっかりってなんだよなあ。悪いのはそっちだっつうの」
安藤さんの姿が病棟から完全に消えたのを見届けてから、千葉くんが口を尖らせた。
「うん……」
上手に返事ができない。
「がっかりした」という言葉が、私の胸にグッサリ刺さっていた。
患者さんにそんなことを言われたのは初めてだ。
ただの人どうしのケンカならなんとも思わないけど、患者さんに言われるとずっしりくる。
「なんだよ、気にするなよ」
千葉くんが慰めてくれる。
圭吾さんと結婚したのは自分だということをもっと早く彼女に言えばよかったのかもしれない。
でも言えなかった。あきらめさせるための契約結婚だったのに、なにを言っても嘘になる罪悪感に耐えられなかった。
それだけ言って、安藤さんは踵を返す。
師長と主任に左右を挟まれ、彼女は静かに病棟の出口へ向かう。
「がっかりってなんだよなあ。悪いのはそっちだっつうの」
安藤さんの姿が病棟から完全に消えたのを見届けてから、千葉くんが口を尖らせた。
「うん……」
上手に返事ができない。
「がっかりした」という言葉が、私の胸にグッサリ刺さっていた。
患者さんにそんなことを言われたのは初めてだ。
ただの人どうしのケンカならなんとも思わないけど、患者さんに言われるとずっしりくる。
「なんだよ、気にするなよ」
千葉くんが慰めてくれる。
圭吾さんと結婚したのは自分だということをもっと早く彼女に言えばよかったのかもしれない。
でも言えなかった。あきらめさせるための契約結婚だったのに、なにを言っても嘘になる罪悪感に耐えられなかった。