離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
日勤後、スマホを見ると圭吾さんからのメッセージが入っていた。

こちらも残業があって、ただいま午後七時。圭吾さんのメッセージはその五分前に入っている。

『もう少し仕事を片付けてから帰る。七海はタクシーで先に帰っておいて』

まだ仕事があるらしい。

そういえば、今朝も車の中で、次の日のオペの準備や紹介状の作成など、たんまり仕事があるって言ってたっけ。

「タクシーかあ」

黒い車にあとをつけられてから、ひとりで出歩かないように圭吾さんに強く言われている。

でも、安藤さんが退院したのに、まだタクシーが必要だろうか。

退院イコール身を引いた、とは限らない。

昼間の口ぶりからは判断がつきかねる。

「ねえ千葉くん、タクシーで通勤ってどう思う?」
「は? そんなんできるの、どこの金持ちなの? って思う」
「だよねえ」

安藤さんが身を引いたら、圭吾さんと私は離婚する。そういう契約だ。

今は圭吾さんが生活費もタクシー代もすべて持ってくれているけど、離婚したらもとの生活に戻る。

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