離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
それに、圭吾さんもまだ仕事がいっぱいあるはずなのに、病院を抜け出して。私、なにしているんだろう。

「ごめんなさい」
「きみが謝ることじゃない。少々危険だったけど、そのおかげで現場を押さえることができた」

圭吾さんが私の手を握り、安藤さんをにらみつける。

彼女は他の人のように逃げたりせず、ひとりたたずんでいた。

「きみが兄の婚約者……今は奥さんか。彼女に嫌がらせしていたことを、俺や両親が知らないと思うのか。今回のことを含め、訴えさせてもらう」
「訴える? 証拠でもあるの?」

彼女はじっと圭吾さんを見る。

「色々あるよ。うまいことやったつもりだろうけど、しょせん素人のやることだ」

安藤さんが京香さんやお兄さんになにをしたか、具体的には知らない。

が、犯人がわからないようにするってことは、陰険な嫌がらせをしたんだろう。

圭吾さんが冷たく言い放つと、安藤さんの顔に狼狽の色が現れる。

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