離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
取り乱し、泣き叫ぶ安藤さん。

彼女が今までご両親とどのように接してきたのかはわからない。

全部が彼女の被害妄想ということもありえる。

けれど実際にご両親が彼女を取引の材料としてしか見ておらず、圭吾さんとの結婚を強要していたというのなら、気の毒な話だと思った。

平安時代じゃないんだから、女子だって自由に生きるべきだ。

「菜美恵、治療をしよう。きみの心の治療を」
「誰も私の味方なんてしてくれない。私をおかしいと思ってる」
「きみは病気なんだ。心が疲れて病気になったんだよ。治療すればよくなる。ちゃんと治療しよう」

圭吾さんの言葉が優しく聞こえる。

私なら自分の大事な人を傷つけた相手に、情けをかけることなんてできないかもしれない。

けれど菜美恵さんは泣きじゃくって支離滅裂なことをわあわあ騒いでいる。まともな返事は期待できそうにない。

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