冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて
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荷物を持った一希さんと一緒に飛行機を降りる。空港には、通訳の方が出迎えてくれ、なんでも一希さんがニューヨークに滞在していた時に仲良くなったという話をしてくれた。
一通り通訳人の一希さんの2個下だという、日本語も話せるマイクさんの紹介をされる。
「――で、今日から詩織専属の通訳人として、側近で働いてもらうことにしたから」
一希さんの言葉に耳を疑った。
「――えっ!? いいんですか?」
「うん。マイクもちょうど仕事を探していたらしいし、俺も詩織もマイクがいてくれた方が助かると思って」
「ありがとうございます。不安だったんで、嬉しいです」
ニューヨークは、経済、ファッション、エンターテイメントなどの分野において、常にトレンドを創り出し、発信していることでも有名らしい。
そしてなんといっても恐ろしく物価が高いと聞き、今日からいかに節約生活をできるかを、貧乏人だった私は意気込んでいた。
それにしても綺麗で落ち着いた街並みが、私の心を穏やかにしていく。
今日からここで愛する一希さんと一緒に生活をしていくんだ。一希さんも同じことを思っていたようで、私の手をぎゅっと握りしめる。
「これからよろしくね、詩織」
「よろしくお願いします、一希さん」
この国境を超えた新しい地で、愛おしい人と大切な時間を歩んでいく。
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