プライベートレッスン
人生でこれだけ大量のトマトケチャップを食べた日もないな、そしてこれからもないだろう。大好きな赤坂エリの手料理だったのに・・・。
「美味しかったよ」
俺は胃をさすりながら言った。
「そうだ!プリン買っておいたんですよ。食べますか?」
口直しという言葉がこれほど似合う場面もないな。
「あぁ食べたいな」
俺の言葉を待たずに彼女は冷蔵庫に向かった。
「悪いけどついでにビールも取ってくれないかな?」
「ビールですね。アタシも飲んでいいですか?」
「君はまだ未成年だろ?12月まで我慢しなよ」
彼女の年は19才だ、ちょうど俺と10コ離れている
「私の誕生日を知っているんですか?」
彼女は意外そうな声で言った。
「知ってるも何も・・・あ」
ここで俺が彼女のファンだと気づかれるはマズイだろ。
「ほら、撮影前にプロフィールとか貰うからさ、脚本家として一応は目を通さないと」
「ふうん・・・私だけだと思っちゃいました」
なにか意味深しげに言って冷蔵庫を開ける。
「あっ!!」
冷蔵庫から短い悲鳴が聞こえた。
「どうした?」
俺は怪我でもしたのかと思って立ち上がる。
「ごめんなさい、またやっちゃった」
「どうしたの?」
「生クリームを入れるのを忘れていました」
彼女は未開封の生クリームを手に取って苦笑いをした。




< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop